今のチェコワインを知るならまずはこれ！
東欧ワインの新たな魅力を実感

チェコは西側にドイツ、南にオーストリア、
東にポーランドとスロヴァキアがあり、
この4カ国に囲まれています。

ビールで有名なチェコ共和国ですが、
実はビールをこよなく愛するのは首都プラハのある国の西側。
東部のモラビア地方は、ワインの名産地です。

チェコワインの90％以上を生産するモラヴィア地方は
もっとも東側の、スロヴァキアとオーストリアの
2国境に面している地域です。
北緯49度とフランス・シャンパーニュ地方と
ほぼ同緯度に位置しています。

特に生産が盛んなのは気候が温暖な南部で、
ワイン造りが盛んなオーストリアに接しています。

歴史的にはオーストリア・ハンガリー帝国の
一部だったことがあるエリアで、
南モラビアのワインはハプスブルク家の女帝
マリア・テレジアの宮廷に献上されたこともあります。

チェコワインの歴史

剪定ナイフが出土したことで、3世紀には葡萄栽培が
行われていた事が判っているチェコ。

10世紀には、ローマ時代の戦士たちによって
モラヴィアで葡萄栽培が行われ、キリスト教と共に
ワイン造りがこの地方に普及しました。

13世紀には、修道院によってフランスやドイツから
輸入されたブドウ品種が次々に植えられブドウ畑が広がっていきました。

17世紀におこったプロテスタントとカトリックの
30年戦争によってブドウ畑の多くを焼失しますが、
18世紀に大部分が植え替えられ、さらにブドウ畑は広がっていきます。

しかし、19世紀末のフィロキセラの影響により
チェコのブドウ畑も大きな打撃を受け、
さらに1948年に共産主義体制となり、
ワイン産業は一時衰退していきます。

しかし、30年前からチェコのワイン産業は徐々に再開。

その復活は目覚ましく、量より質の向上を重視し、
最新の技術を取り入れつつ環境に優しい葡萄栽培を行ってきました。

2004年にはEUに加盟。

そして今では多様なオーガニックワインと
有機栽培の葡萄畑が存在し、有機ではない生産者達も
化学物資の使用は最小限に留めています。

現在約700のワイナリーがあり、国際的な賞を受賞するまでになっています。

ジャスト・ホワイト

葡萄畑は、ヴルビツェの南東向きの丘の中腹あり、
オーストリアのヴァグラムと似た気候と言われています。
水はけの良い土壌は、粘土やレス土壌で構成されています。

自社畑の複数のエリアから3つの白葡萄をブレンド。

3日間のマセレーション後にプレスし、
野生酵母によりステンレスタンクで発酵させ、
そのままマロラクティック発酵も実施。

チェコのワインらしいきれいな酸味と、
3品種によるバランスの良さと旨味が印象的で
するすると飲みすすめられます。

■産地：チェコ　モラヴィア
■品種： グリューナーフェルトリーナー40% リースリング40% ピノブラン20%
■タイプ：白・辛口

シファニ/Syfany

南モラヴィアのヴルビツェ村に拠点を構えています。
代々農家の家系で、現当主ヤコブの父親の代で農地を広げ、
現在では400haあり、大麦などのシリアルを中心に栽培し、
地元の小さなビールメーカーに販売しています。

父親の代までワインの生産は自家用程度でしたが、
ヤコブと妻のカルラが正式にワイナリーを立ち上げました。

ワイナリー名のSYFANYは、両親への尊敬の念を込めて、
母親Sylviaと父親Franti?ek（通称Fany）の名前を組み合わせています。
葡萄畑は約40haありますが、そのうち2/3の葡萄は
地元のワイン生産者に販売し、最も高品質な葡萄のみを
使用してシファニのワインを生産しています。


これまで受け継いできた土地を次世代にも
健全な状態で残していきたいという思いから、
ビオディナミ農法を実践しています。

そして、風土を感じる味わいを求めるために、
野生酵母を用い、SO2も最低限の使用に抑えています。

使用している樽も地元モラヴィア産のアカシアを使うなど、
テロワールを意識したナチュラルなワインです。

葡萄畑の周囲には森が点在しており、生物多様性に寄与しつつ、
強風から葡萄畑を守る働きもしています。

特徴的なラベルは当主ヤコブのハンドプリントです。
これには、ワインメーカーとして自分自身が
エンドユーザーに直接ワインを届けたいという思いが込められています。

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