アルティサル 2020 イチャスメンディ/Itsasmendi Artizar/スペイン チャコリ白
アルティサルは、その名が示す通り、
職人技とこだわりが凝縮された逸品
このワインは、特別な区画で栽培されたオンダラビ・スリ種のブドウを厳選して造られます。
海からのミネラル感と山の冷涼な風がもたらす酸味が絶妙に調和し、他では味わえない独特の風味を生み出しています。
収穫はすべて手作業で行われ、ブドウの最高の状態を見極めます。
発酵は野生酵母の力を借りてゆっくりと行われ、その後、澱とともに熟成させるシュール・リー製法を採用。
これにより、ワインに複雑味と深みが与えられます。
ステンレスと古樽を組み合わせることで、オンダラビ・スリ種のピュアな果実味を損なうことなく、樽由来の微かなニュアンスと熟成による丸みを加えています。
これにより、フレッシュさの中に奥行きとエレガンスが生まれます。
その爽やかな酸味とミネラル感は、魚介類、特にバスク地方の伝統的なシーフード料理との相性が抜群です。また、繊細なハーブを使った料理や、軽いチーズとも素晴らしいハーモニーを奏でます。
「イチャスメンディ アルティサル」は、バスク地方の豊かな自然と、生産者のたゆまぬ努力、そしてワイン造りへの真摯な愛情が凝縮された一本です。この土地の息吹を感じさせる、唯一無二の味わいをぜひご堪能ください。
伝統と革新が織りなす、
イチャスメンディ醸造所
イチャスメンディは、スペインとフランスの国境に位置するバスク地方で、古くから続くワイン造りの伝統を守りながらも、常に新しい挑戦を続ける革新的なワイナリーです。
彼らのブドウ畑は、ビスケー湾からの潮風とピレネー山脈からの恩恵を受け、この地域特有の微気候の中で育まれています。
オーナーであるアイトール・メンディサバル氏は、テロワールの個性を最大限に引き出すことに情熱を注ぐ、真のアルチザン(職人)です。
彼は、土壌の健康を第一に考え、有機的なアプローチを積極的に取り入れ、ブドウ本来の生命力を尊重した栽培を行っています。
彼は若くしてボルドーやブルゴーニュといった世界の主要なワイン産地で研鑽を積み、そこで得た知識と経験を故郷のワイン造りに注ぎ込んできました。
アイトール氏の哲学は、「テロワールの表現」と「持続可能性」に集約されます。
彼のブドウ畑は、ビスケー湾からわずか数キロの距離に位置し、海からのミネラルを含んだ潮風と、ピレネー山脈に連なる山々がもたらす冷涼な空気が複雑に交錯する、まさにチャコリに最適な微気候を有しています。
土壌は粘土質と石灰質が混じり合い、この土地特有のオンダラビ・スリ種のブドウに、他に類を見ないミネラル感とシャープな酸を与えます。
アイトール氏は、この恵まれたテロワールを最大限に活かすため、化学肥料や除草剤の使用を極力控え、有機栽培に準ずる農法を実践しています。
具体的には、緑肥の導入や、ブドウの樹一本一本の健康状態を細かく観察し、その年の気候変動に合わせて剪定や収穫のタイミングを微調整するなど、きめ細やかなケアを行っています。
彼の畑は、単なる生産の場ではなく、ブドウと自然が共生する生態系そのものなのです。
アイトール氏のこだわりは、畑だけに留まりません。
醸造においても、彼はブドウの個性を尊重することを第一としています。
最新の醸造設備を導入しつつも、伝統的なチャコリ造りの手法である天然酵母による発酵や、長時間の澱接触(シュール・リー)を重視しています。
これは、オンダラビ・スリ種の持つ繊細なアロマと骨格を最大限に引き出し、ワインに複雑味と熟成のポテンシャルを与えるためです。
イチャスメンディは、チャコリというワインの概念を「単なる微発泡のカジュアルワイン」から「熟成能力を持つ高品質なスティルワイン」へと昇華させようとしています。
「イチャスメンディ アルティサル」は、まさにそのアイトール氏の情熱と哲学が結実した、彼らの「職人(アルチザン)」としての誇りを示す一本と言えるでしょう。
彼らのワインを味わうことは、バスクの雄大な自然と、そこに生きる人々の情熱、そして未来を見据える挑戦の精神を感じることなのです。