アマローネ デッラ ヴァルポリッチェラ2019 ファザン /amarone fazan/イタリア赤
次世代の幕開け
ファザンが示す、アマローネの「新・エレガンス」
長きにわたり、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラは「パワフル」「濃厚」「力強い凝縮感」を代名詞としてきました。
その圧倒的な存在感は多くの愛好家を魅了しましたが、同時にその重厚さが食事のシーンや飲み疲れに繋がるという声も少なくありませんでした。
しかし今、この偉大なワインの歴史に革命的な変化が起きています。
ファザン(Fazan)の造り出すアマローネは、まさにその変化を象徴する「次世代のアマローネ」です。
ファザンは、伝統的なアマローネの製法に敬意を払いながらも、その哲学を根本から見直しました。
目指したのは、ブドウの持つテロワールと繊細なアロマを最大限に引き出す、きわめてエレガントなスタイルです。
従来の「重厚さ」を追求するのではなく、驚くほどのクリアさとフィネスを獲得しています。
口に含んだ瞬間に感じるのは、過剰なアルコールや糖度の主張ではなく、洗練されたタンニンと、しなやかで長い余韻。
まさに、ブルゴーニュの偉大なワインを思わせるような、次元の高いエレガンスです。
ファザンは、アマローネの定義を「凝縮」から「調和」へと昇華させました。
ドライフルーツの豊かさの中に、バラ、スパイス、ミネラルといった複雑で緻密な香りが優雅に立ち昇ります。
芳醇な果実味、高いアルコール、そして酸が見事に融和し、どこにも引っかかりのない、なめらかな口当たりを実現しています。
パワフルさが影を潜めたことで、メインディッシュはもちろん、幅広い料理とのペアリングを可能にします。この汎用性の高さこそが、現代のワインに求められる要素です。
ファザンのアマローネは、単に「美味しい」アマローネではありません。それは、アマローネが持つ可能性を再定義し、ワインラバーに新しい選択肢を提供する、時代の転換点を示す一本です。
パワフル一辺倒の時代は終わりを告げました。
この「新・エレガンス」を纏ったファザンのアマローネで、ぜひ「次世代」の扉を開けてください。
「ファザン」が、高品質なワインメーカーとして知られるまでの歴史
1952年 Veneto州、およびその中のVerona県に位置するMonteforteを拠点に、地元の小さな農家、栽培者たちが手を結び、共同組合(ワイナリー)としてスタート。
この年、最初の葡萄となる約130万KGを受け入れ、醸造を始めました。
1959年 初めてのボトリングを実施し、Clivusと言うブランド名で販売を始めますが、田舎の醸造所として親しみやすいワイン作りを行っていました。
1976年から、ワイナリーの技術的近代化を推し進め、ボトル詰め設備の導入などが始まりました。
1980年には、タンク内部を加工し、設備の一新をしています。
1990~2000年にかけCastelloaroやFoscarinoといった、高品質ワイン用プロジェクトが立ち上がります。
さらに2010年には、環境、持続可能性の観点から害虫対策にフェロモンを使った「交信攪乱法」をブドウ畑で導入するなど、より深くワインと向き合うようになっています。
当初から450~600人の会員農家を抱えていましたが、2025年現在では、他のワイナリーグループと合併し、合計2450人の会員農家を擁するイタリア最大クラスのワイン共同組合に成長しました。
そして特に高品質なワインを好む市場である日本とアメリカのために、ファザンと言うブランドを立ち上げるに至りました。
ファザン設立の背景
最大の目的は、地域のブドウ栽培者たちが協力し、特定の地域(Territorio=土地・テロワール)を守り育てる事にあります。
この土地は、土壌が火山性で赤みを帯びた色調の土、日光をよく吸い、地中のミネラルを豊かに含む“土地の個性”に富んだテロワールです。この土地の個性をワインに反映することを使命としています。
また、畑は丘の斜面に南~南東向きで広がっており、この向きが地形やブドウの成熟や風通し、昼夜の気温差に良い影響を与え、香り高くバランスの良いワインがつくられています。
要するにこの地域の自然条件(土壌、気候、斜面、風)がワインつくりと密接に関係した産地であり、この恵まれた環境を活かす事を目的として設立されました。
