田中さんに聞きました!
みつばちと養蜂のこと

ラテール養蜂園は、恐らく世界で唯一、ワインショップが直営する養蜂園であり、自然豊かな西宮市の魅力を発信し、同時に食育の重要性を伝えるために、みつばちを育てています。
みつばちは豊かな自然の中でしか生きられない事から環境示準生物と言われ、都会と自然が融合する西宮市の恵まれた環境を象徴します。
また、世界の主要な食料作物(約100種類)のうち、約7割がミツバチによる受粉に支えられており、みつばちを保護する事は人類の食糧問題に直結しています。
豊かな食を守るため。西宮の魅力を知って頂くため。今日は、養蜂家の田中さんをお招きして、色々とお話を伺います。

みつばちに関する質疑応答:
2025年7月
ゲスト紹介:田中さん
【養蜂家(兵庫県西宮市)】
田中さんが養蜂家になったきっかけはを教えてください。

私は20年以上前から無農薬での野菜栽培に取り組んで来ました。
みつばちは花の蜜を求めて花粉を運び、受粉を即しますが、農薬は大嫌いです。
無農薬で栽培する私にとっては最高のパートナーであり、農家と同時進行で養蜂家になりました。
養蜂家って、どんな仕事をしているのですか?みつばちの活動と共に何をしているか教えて下さい。

≪3月頃≫冬を越したばかりで、みつばちの家族は少ない状態(養蜂家:巣箱を内覧して手助けが必要かチェックしています。)
≪4月頃≫桜、蓮華、藤の花が咲き、みつばちの活動が本格化
(養蜂家:蜜を採りたいけど我慢します。
これは、みつばちが子供たちを育てる分です。稀に必要以上の蜜が集まった時にだけ、ちょっと貰いますが、これが特別な蜂蜜「桜蜜」となります。)
≪5月頃≫柿、桃、栗の花が咲き、みつばちは精力旺盛に飛び回ります。
(養蜂家:見回りを欠かさず行い、巣箱の勢いが弱まらないように分蜂を止めたりします。みつばちの家族を増やすために、まだ採蜜は行いません。我慢です。)
≪7月頃≫たっぷりと蜜を蓄えた巣箱の中で、各部屋のドアを閉じるように、蜜蓋が出来ていきます。
蜜蓋の中は糖度80%以上の蜂蜜が詰まっています。
(養蜂家:いよいよ遠心分離で採蜜を行います。私たちは、みつばちの負担を減らすため基本的に、この時期だけしか採蜜しません。)
≪8月頃≫花々が咲き乱れ、みつばちも忙しく飛び回ります。
(養蜂家:まだまだ蜜は集まりますが、この蜜は越冬のために残してあげないといけないので、採蜜しません。)
≪9月頃≫最も敵の来襲が多い時期。肉食の黄色スズメバチは何回も巣箱に飛来して、みつばちを食料として持ち帰ります。
オオスズメバチは、みつばちを全滅させてから幼虫を貪り喰う大敵です。
(養蜂家:草食のみつばちは弱い生き物。しっかりと見回りして、必要な罠をしかけ、それぞれの巣を助けて回ります。)
≪11月~12月頃≫セイタカアワダチソウなど、まだ蜜源となる草木があります。
越冬にむけて、みつばちはラストスパート!せっせと蜂蜜を集めます。
(養蜂家:霜が降りる頃、標高400Mにある船坂から巣箱を移動。春になるまで、比較的温暖な名来に避難して守ります。この場所で春の桜を待ちます。名来の桜が終わるころ、標高の高い船坂の桜が咲き始めますので、巣箱を戻します。船坂の桜の次は、六甲山の山桜が蜜源になり、女王蜂の産卵が活発になります。これが養蜂家の1年です。)
養蜂家として大切に思っている事はありますか?

私たち人間は、みつばちから蜂蜜を分けてもらっている存在です。
蜂蜜を無理して搾り取る事は、みつばちにダメージを与えるだけでなく、蜂蜜の質も悪くなります。
良い蜂蜜を得るためには、できるだけ、みつばちにとって良い環境をつくる必要があります。
みつばちの可愛いと思う所を教えて下さい!

はたらき蜂には、花蜜を集めるだけでなく、内部の掃除をしたり、花蜜を乾燥させて蜂蜜に変える仕事もあります。
彼らは巣の中で、ずっとブーンブーンと羽を羽ばたかせて、扇風機のように風を起こし、ゆっくりと蜂蜜を凝縮させていくのです。
この地道な努力をする姿を見ると、本当に可愛く思えます。
ちなみに、生まれたてのはたらき蜂は内部での仕事を。その研修が終わると、いよいよ花蜜を集める外勤に変わります。
外部では敵も多く、危険と隣り合わせなため、経験を蓄えてから飛び立つのです。
養蜂が大変だと思うところはどこですか?

ちょうど今年(2025年)は、全国的な大不作となっています。
ラテール養蜂園でも、昨年は200㎏の蜂蜜が採れましたが、今年は20㎏しか採れていません。
人間は、自然の営みに手助けする事しか出来ません。安定的な収量を求めることができない仕事です。
みつばちの恩恵について教えてください。

農家の立場からすると、農作物の実りが良くなります。
みつばちは、良い花蜜がある熟した花粉だけを運び、植物を受粉させます。
人間が刷毛を使って受粉させても作物は実りますが、みつばちの受粉だと美味しい野菜が実ります。
もちろん、もっとも想像しやすい恩恵は、蜂蜜やプロポリスですが、みつばちの巣である蜜蝋は、蝋燭になり、ワックスになり、最近ではエコなラップを作る材料としても人気があります。
みつばちの活動はすべてが人間にとって有益と言え、世界中で益虫の代表とされる理由は良くわかります。
皆さんもぜひ、もっと興味を持って、この可愛い昆虫を観察してください。
知ると楽しい。
みつばちと蜂蜜の豆知識
1. 蜜だけでなく、花粉やプロポリスも集める働き者!
ミツバチは、花の蜜を集めて蜂蜜を作ることで有名ですが、それだけではありません。
花粉: 幼虫の餌や女王蜂のロイヤルゼリーの材料になります。花粉団子にして脚に付けて持ち帰ります。
プロポリス: 樹液や植物の新芽、蕾などから集め、ミツバチ自身の唾液と混ぜて作られます。巣の隙間を埋めたり、殺菌・消毒に使われたりする、天然の抗生物質のような物質です。
ローヤルゼリー: 女王蜂だけが食べる特別な餌。働きバチの若い個体(若い働きバチ)が分泌します。
2. 驚異的なコミュニケーション能力「8の字ダンス」
ミツバチは、新しい蜜源を見つけると、巣に戻って「8の字ダンス」と呼ばれる特殊な動きで仲間たちにその場所を伝えます。
ダンスの方向: 蜜源の方向(太陽との相対的な角度)を示します。
ダンスの速さ: 蜜源までの距離を示します。ダンスが速いほど、蜜源は近いことを意味します。
このダンスによって、効率的に蜜を集めることができます。
3. 社会性昆虫としての高度な分業体制
ミツバチの巣の中では、それぞれの役割が明確に分担されています。
女王蜂: 卵を産むのが唯一の仕事。巣の維持に不可欠な存在です。
働きバチ(メス): ほとんどがメスで、最も多くの仕事をこなします。
若い働きバチ:巣の掃除、幼虫の世話、ローヤルゼリーの分泌、巣の防衛など。
成熟した働きバチ:蜜や花粉を集める採集活動、巣作りのための蜜蝋の分泌など。
オス蜂(雄蜂): 主に女王蜂との交尾が役割。採蜜はせず、基本的には何もしません。冬が近づくと巣から追い出されてしまいます。
4. 蜂蜜はミツバチの非常食であり、冬の備蓄
ミツバチが蜂蜜を作るのは、人間のためだけではありません。蜂蜜は、ミツバチ自身が冬を越すための大切な食料源です。花の蜜がなくなる冬の間も、巣の中で蓄えた蜂蜜を食べて生きています。
5. 驚くべき飛行能力と視力
飛行速度: 時速20km〜40kmで飛ぶことができます。
飛行距離: 蜜源を求めて数キロメートルも移動することがあります。
視力: 人間が見えない紫外線を見ることができます。花の中央にある紫外線模様を識別し、蜜の場所を正確に把握しています。
6. 地球上の食料の約3分の1はミツバチの受粉に依存
ミツバチは、植物の受粉(花粉を運ぶこと)において非常に重要な役割を担っています。
リンゴ、ナシ、トマト、コーヒー豆など、多くの作物がミツバチの受粉なしには実を結びません。
ミツバチがいなくなると、私たちの食料生産に甚大な影響が出ると言われています。
7. 巣の中は常に清潔!
ミツバチは非常にきれい好きです。
巣の中にゴミや死骸が出ると、働きバチが協力して巣の外に運び出します。
また、プロポリスを使って巣の中を殺菌・消毒しています。
8.みつばちは草食。だから攻撃してきません。
蜂と聞くと刺すイメージですよね。
スズメバチのような獰猛な肉食系は、針を刺して敵を攻撃し、捕食したりするので、何度でも刺せるように針が何度も出てきます。
みつばちの針はお尻とくっついているので、針を使うと確実に自分も死にます。
たとえ自分が死んでも、仲間を守りたい。そんな時の最終手段です。
9.みつばちの寿命と蜂蜜
冬場は巣の中でゆっくり過ごすので、6ヶ月くらいの寿命です。夏場は活発に働くため、僅か3カ月ほどしか生きられません。
その短い人生のなかで、1.8gの蜂蜜を集めます。これは、スプーン1杯程度の僅かな量です。
蜂蜜を頂くとき、みつばちへの感謝を忘れてはいけません。
10.生蜂蜜(Raw Honey)とは? 何が違うの?
ミツバチが花から集めた蜜を、加熱処理せずにそのまま瓶詰めにしたものが生蜂蜜。
「未処理、低温殺菌もされていない、完全に非加熱」なもので、栄養価、風味などが優れています。
●栄養価が高い: 加熱処理によって失われやすいビタミン、ミネラル、酵素、抗酸化物質などが豊富に含まれています。
●風味・香りが豊か: 花本来の繊細な香りや風味、はちみつ本来の味わいが楽しめます。採蜜した花の種類によって異なる香りを感じられるのも特徴です。
●結晶化しやすい: 加熱や過度なろ過をしていないため、時間が経つと自然に結晶化しやすい傾向があります。これは品質に問題がなく、むしろ天然の証とされています。
●価格が高い: 天然の状態を保つため、丁寧な製造工程と時間をかけて作られるため、一般的なはちみつに比べて価格は高めです。
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