0
¥0

現在カート内に商品はございません。

特集ルーマニアワイン | ワイン特集ブログ

衝撃を受けた「ルーマニアワイン」の魅力

カーヴドテールでは2013年頃から、ルーマニアワインに注目するようになりました。

その切っ掛けとなったのが、ルーマニアワインを輸入するダニエルさんです。

日本のワイン業界では馴染みのない国でしたが、その高い品質に試飲会場で受けた衝撃を、今でも覚えています。

また、ダニエルさんに案内を頂き、2015年からコロナ前まで毎年、スタッフを現地視察に送り込みました。

そのお陰で、恐るべき速さで進化していくルーマニアワインと、その将来性を肌で感じる事ができました。

今や一般のワイン好きにも知られるワイン王国ですが、改めて正しい情報をお伝えできるよう、今日はダニエルさんにレポートをさせて頂きます。



教えてダニエルさん!
ルーマニアとルーマニアワインの魅力

ダニエルさん

ルーマニアワインに関する質疑応答:
2025年7月

ゲスト紹介:ダニエルさん

【ワイン輸入会社社長 国籍:ルーマニア】

公式HP https://danielswine.club/

Q1

ルーマニアってどんな国ですか?

ダニエルさん ダニエルさん

ルーマニアはヨーロッパ南東部に位置し、豊かな自然と中世の面影を残す美しい街並みが魅力の国です。

東ヨーロッパで唯一、ラテン系民族(古代ダキア人とローマ人)を祖先に持つ国で、人々は陽気で明るく、親切だとよく言われます。

長い歴史の中でオスマン帝国や周辺諸国の影響を受けながらも、独自の文化を築いてきました。

吸血鬼伝説のモデルとされるドラキュラ公をはじめ、伝説や民話も豊富です。

首都ブカレストは「東欧のパリ」と称される洗練された都市でありながら、地方には素朴な村や古城が点在し、新旧の魅力が共存しています。

Q2

とても酒と音楽が好きな民族だと言われますが、どう思われますか?

ダニエルさん ダニエルさん

はい、本当にその通りです。ルーマニア人はお酒と音楽が大好きな国民性を持っています。

実際、世界保健機関(WHO)の統計では、ルーマニアの成人1人あたり年間アルコール消費量は世界トップクラス。

首都ブカレストにはクラブやバーが多く、夜はいつも賑やか。国内最大級の野外音楽フェス「UNTOLD」には、世界中の有名アーティストが集まり、毎年多くの観客を魅了しています。

伝統的な民俗音楽やダンスも各地で根強く愛されており、陽気で音楽好きな国民性がよく表れています

Q3

ルーマニア人には意外なほど親日派が多いと聞きますが、本当でしょうか?

ダニエルさん ダニエルさん

はい、本当です。ルーマニアの人々は日本に対してとても好意的で、親日的な傾向が強いことで知られています。

現在、ブカレスト大学やクルージュ・ナポカ大学など、国内の複数の大学で約2000人以上の学生が日本語を学習中。

日本の伝統文化や戦後の経済発展に関心を持つ人が多く、学問面だけでなくポップカルチャーの分野でも日本文化への支持は厚いです。

毎年、日本のアニメやコスプレの祭典も開催され、2000~3000人規模の若者が集う人気イベントとなっています。

Q4

ルーマニアは5000年前からワインを作っていたと聞いていますが、現状はいかがでしょうか?

ダニエルさん ダニエルさん

はい、本当です。ルーマニアは世界でも最も古いワイン産地のひとつとされており、その起源は6000年前にまでさかのぼります。

古代ローマ時代、現在のルーマニアにあたる「ダキア」ではすでに良質な葡萄酒が造られており、その品質の高さに目を付けたローマ帝国が2世紀にこの地を征服し、自らの葡萄品種と醸造技術を持ち込んだと伝えられています。

カルパチア山脈・黒海・ドナウ川に囲まれた地形はブドウ栽培に理想的な自然条件を持ち、1989年の民主化と2007年のEU加盟以降、EU資金の活用と技術革新によりワイン産業は劇的に復興しました。

近年は国際コンクールでの受賞も増えています。

Q5

ルーマニアのワインは、とにかくコスパが高いとの評価を見かけますが、理由はありますか?

ダニエルさん ダニエルさん

はい、その評価にはしっかりと理由があります。

ルーマニアは豊かな土地と気候に恵まれており、低コストで高品質なブドウの栽培が可能です。

EU加盟後は海外資本の流入とともに醸造設備も一新され、品質が急速に向上。

一方で、人件費や土地代などの物価は西欧諸国に比べて低いため、価格を抑えながらも品質の高いワインが生産可能となっています。

たとえば、日本で販売されているルーマニア産のプレミアムワインが1本3,000~5,000円で購入できるのは、同品質のフランスワインの1/3~1/4程度の価格に相当します。

Q6

ルーマニアには、独特な名前のブドウ品種が多いと聞きますが、どのようなものがあるのでしょうか?

ダニエルさん ダニエルさん

ルーマニアには個性的な名前を持つ土着ブドウ品種が数多く存在します。

例えば白ブドウでは フェテアスカ・レガーラ(Feteasca Regala)や フェテアスカ・アルバ(Feteasca Alba)といった品種が代表的です。

romania_white


黒ブドウでは フェテアスカ・ネアグラ(Feteasca Neagra)や ネグル・デ・ドラガシャニ(Negru de Dragasani)などがあり、さらにバラ色の芳香品種 ブスイオアカ・デ・ボホティン(Busuioaca de Bohotin)のように名前からして興味を惹かれる品種も揃っています。

それぞれ味わいも個性的で、現地のワイン生産者たちはこれら固有品種の魅力を世界に発信しようと努めています。

romania_red1

romania_red2


Q7

ルーマニアの食文化について教えてください。

ダニエルさん ダニエルさん

ルーマニアの料理は、トルコ・ギリシャ・ハンガリーなど周辺国の影響を受けながらも、独自の発展を遂げた多彩で温かみのある食文化です。

朝食はパン、チーズ、野菜などを中心としたシンプルなもので、昼食・夕食はスープや肉料理がメイン。

特に「チョルバ(Ciorba)」と呼ばれる酸味の効いたスープ料理は、日常に欠かせない存在です。

Q8

ルーマニアの代表的な料理を教えて下さい

ダニエルさん ダニエルさん

もちろんです。
では、代表的な5つの料理と定番の組み合わせをご紹介していきますね。

1. サルマーレ(Sarmale)
キャベツの葉で豚ひき肉と米のフィリングを包み、トマトソースで煮込んだルーマニア風ロールキャベツ。お祝いの席にも欠かせない、国民食です。

Sarmale


2. ママリガ(Mamaliga)
トウモロコシ粉で作る黄色いポレンタ。バターやチーズ、サワークリームを添えて食べるのが定番。

Mamaliga


3. ミティティ(Mititei)
牛・豚・羊の合い挽き肉を香辛料とともに棒状に成形し、グリルで焼いた皮なしソーセージ。マスタードとパンでいただくビールのお供。

Mititei


4. パパナシ(Papanasi)
カッテージチーズを練り込んだ揚げドーナツに、ベリージャムとサワークリームを添えた伝統デザート。素朴でボリューム感たっぷりの味わいです。

Papanasi


他にもシュニッツェルやムサカ、プラチンタ(チーズパイ)やコゾナック(クルミの入った甘いパ ン)など枚挙にいとまがありません。ぜひ機会があれば本場のルーマニア料理を味わってみてください。

ルーマニア又はルーマニアワインについてもっと知りたい方は、ぜひ Cave de Terre にいらしてくださいね😊



もっと詳しく知りたい!

【ルーマニアのブドウ品種】

長いワイン造りの歴史の中で、100種類以上とも言われる多様な土着品種を育んできた、ルーマニア。
これらのユニークなブドウは、ルーマニアワインに他の国のワインにはない個性と魅力を与えています。ここではQ&Aで出てきた品種を深堀り!

Feteasca Regala

1. フェテアスカ・レガーラ(Feteasca Regala)
「高貴な(王家の)乙女」を意味する、ルーマニアで最も広く栽培されているブドウ品種で、冷涼な気候でも温暖な気候でも順応するその多様性が特徴。
国内で最も消費されるブドウとして、非常に高い人気を誇り、ルーマニアのワイン文化に欠かせない存在です。ルーマニアワインを真に理解するには、フェテアスカ・レガーラを体験することが不可欠。 ワインは、通常辛口または中辛口で、しっかりとした骨格を持ちます。果実味と酸味のバランスが非常に優れている品種。アカシアやニワトコ、リンデンなどの花の香りや、夏のリンゴ、洋ナシ、モモ、グレープフルーツなどの果実の豊かな香りが特徴です。


Feteasca Alba

2. フェテアスカ・アルバ(Feteasca Alba)
「白い乙女」という意味を持つ、歴史の古い、ルーマニアの土着品種。
繊細で、エレガント。テロワールの影響を受けやすく、育った産地の特徴を良く表すので、キャラクターはシャルドネ種と似ているところも。香りと味わいは繊細で、控えめだけど、エレガンスとフィネスに優れています。 ワインは辛口又は中辛口が多く、アルコールと酸味のバランスが良く取れています。香りはとてもフローラルで、ブドウの花、シトラス、菩提樹の花、桃や干草のニュアンスが特徴です。


Feteasca Neagra

3. フェテアスカ・ネアグラ(Feteasca Neagra)
「黒い乙女」という意味を持つ、カベルネソーヴィニヨンの骨格、シラーのスパイシーさ、メルロの滑らかさを兼ね備えた、ルーマニアを象徴する固有の黒ブドウ品種。野生ブドウに近い遺伝的特徴を持ち、ルーマニアの地で長い歴史を刻んできました。
豊かな果実味とスパイシーな複雑さを持ち、プラムやブラックベリー、クローブのアロマが際立ちます。洗練されたタンニンと滑らかな口当たりが特徴で、爽やかなロゼから熟成可能なフルボディの赤ワインまで幅広く生産されています。

フェテアスカ・ネアグラを使ったワイン


Negru de Dragasani

4. ネグル・デ・ドラガシャニ(Negru de Dragasani)
比較的新しい赤ワイン用葡萄品種で、ルーマニア固有のネグル・ヴァルトスと、サペラヴィ (ジョージア原産の品種) を交配して、ドラガシャニ地方で開発されました。
ワインは、しっかりとしたボディと濃厚な味わいが特徴で、ブラックベリー、サワーチェリー、ブラックチェリー、クローブやペッパーなどのスパイスのニュアンスが感じられます。酸度は中程度、タンニンは比較的高め。最上級のワインは、オーク樽熟成と瓶熟成を経ることで、さらなる複雑さが引き出されます。

ネグル・デ・ドラガシャニを使ったワイン


Busuioaca de Bohotin

5. ブスイオアカ・デ・ボホティン(Busuioaca de Bohotin)
ルーマニア北東部イアシ県の小さな村ボホティン(Bohotin)が発祥とされる非常に珍しいブドウ品種。
「ブスイオアカ」はルーマニア語のバジル(busuioc)に由来し、ワインにはバジルの花ような独特な香りが漂います。バジルやバラを思わせる繊細で魅力的な香りと、甘みと酸の絶妙なバランスは秀逸。中でも、スパイシーな中華料理との相性は素晴らしく、辛みの中に心地よい爽やかさをもたらしてくれます。ルーマニアの中でもきわめて希少な在来品種であり、その芳醇で個性的な味わいは、ルーマニア文化のユニークさを体現する品種です。


※参照元:ダニエルのワインクラブ



【ルーマニアのワイン生産地】

6000年以上の長いワイン造りの歴史を持つルーマニアは、東ヨーロッパにおける主要なワイン生産国の一つ。
国土全体でワインが造られており、その産地は多様な気候と土壌を反映した個性豊かなワインを生み出しています。ここでは、地図に示された8つの主要なワイン産地について解説します。

romania_map

① トランシルヴァニア高原 (Podișul Transilvaniei)
ルーマニアの中央部に位置するこの高原地帯は、冷涼な気候が特徴で、高品質な白ワインで知られています。主なブドウ品種には、「白い乙女」を意味する土着品種のフェテアスカ・アルバや、アロマティックなフェテアスカ・レガーラなどがあります。ハンガリーやドイツの文化の影響も受けており、ワイン造りにもその歴史が反映されています。

② モルドヴァ丘陵地 (Dealurile Moldovei)
ルーマニア北東部に位置する国内最大かつ最も歴史あるワイン産地。この地方のコトナリは、古くから白ワインの銘醸地として知られ、かつてはヨーロッパの皇帝や国王にも愛されたと言われています。「コトナリの貴婦人」と呼ばれるグラサ・デ・コトナリなどの土着品種から造られる甘口ワインが有名です。また、「黒い乙女」を意味するフェテアスカ・ネアグラなど、赤ワイン用のブドウも栽培されています。

③ ムンテニアとオルテニア丘陵地 (Dealurile Munteniei și Olteniei)
カルパチア山脈の南麓に広がるこの丘陵地帯は、ルーマニア南部を代表するワイン産地。特にデアル・マーレ地区は、高品質な赤ワインの産地として国際的に評価されています。主なブドウ品種は、土着品種のフェテアスカ・ネアグラのほか、カベルネソーヴィニヨンやメルロといった国際品種も広く栽培されています。

④ バナット (Banat)
ルーマニア西部に位置し、セルビアとハンガリーに国境を接する産地。温暖な気候で、畑は南向きの丘陵に面しているため日照に恵まれています。19世紀初頭からワイン生産が行われ、かつてはウィーン公国で重宝された歴史があります。粘土質や砂質など多様な土壌を持ち、赤ワインと白ワインの両方が生産されています。

⑤ クリシャーナ・マラムレシュ (Crișana și Maramureș)
ルーマニアの北西部に位置し、ハンガリーやウクライナと国境を接しています。この地域のワイン造りは西ヨーロッパ、特にオーストリア・ハンガリー帝国の影響を受けてきました。主に白ワインが生産されており、そのスタイルは多様です。

⑥ ドブロジェア底丘陵地 (Colinele Dobrogei)
黒海とドナウ川に挟まれたルーマニア南東部の産地。年間の日照時間が長く温暖な気候が特徴で、ムルファトラールは特に有名なワイン生産地として知られています。ここではシャルドネやソーヴィニヨンブランなどの白ワインから、ピノノワール、カベルネソーヴィニヨンといった赤ワインまで、多様な品種が栽培されています。

⑦ ドナウ河岸段丘 (Terasele Dunării)
ルーマニア南部、ブルガリアとの国境を流れるドナウ川沿いに広がる産地。川に向かって開けた高台や段丘にブドウ畑があり、砂質の土壌が特徴です。この地形と土壌は、特に赤ワイン用のブドウ栽培に適していると言われています。

⑧ 南部 (Sudul Țării)
「国の南部」を意味するこの地域は、地図上ではオルテニア地方の南部に位置しています。このエリアに含まれないドナウ川沿いの砂地なども含めて呼称されることがあります。温暖な気候を活かし、赤ワイン、白ワイン共に生産されています。

NEW ITEM 新着商品
ページトップへ