シャトー ラ・コマンドリー ド クレ ボルドー/chateau la commanderie bordeaux/フランス ボルドー赤
歴史が息づく、気品あふれるボルドーワイン
シャトー ラ・コマンドリー・ド・クレ ボルドーは、世界で最も有名なワイン産地の一つ、フランス・ボルドー地方で造られる赤ワインです。
その名は、かつてこの地にあったテンプル騎士団の「コマンドリー(騎士団領)」に由来し、数世紀にわたる歴史と伝統が息づくテロワールの恩恵を現代に伝えています。
このワインは、ボルドーのクラシカルなスタイルを体現し、日々の食卓を豊かに彩る、親しみやすくも気品ある一本です。
テンプル騎士団の遺産を受け継ぐ
歴史的なシャトー
シャトー ラ・コマンドリー・ド・クレは、ボルドー地方、ガロンヌ川の右岸に位置する小さなコミューン、クレオン(Créon)に居を構えています。
この地は、中世の歴史と深く結びついており、特に12世紀にはテンプル騎士団の重要なコマンドリー(騎士団領・拠点)が置かれていました。
シャトーの名前は、この歴史的な背景に直接由来しており、現在のブドウ畑の多くが、かつての騎士団の領地であった可能性も示唆しています。
シャトーは、この豊かな歴史を尊重しつつ、現代のワイン造りに情熱を注いでいます。
彼らのブドウ畑は、主に粘土石灰質土壌で構成されており、特にメルローやカベルネ・フランといった品種の栽培に理想的な条件を提供します。
この土壌は、ブドウに優れた保水性をもたらし、ミネラルを供給することで、豊かな果実味とまろやかなタンニンを持つワインを生み出す土台となります。
生産者は、ブドウの樹齢や区画ごとの特性を理解し、持続可能な農業を実践しています。
ブドウは適切なタイミングで収穫され、選果台で厳しく選別されます。
醸造においては、伝統的なボルドーの醸造法を尊重しながらも、最新の温度管理システムやステンレスタンクを導入することで、ブドウが持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出し、ワインの品質を安定させています。
熟成には、フレンチオーク樽を使用し、ワインに複雑味とまろやかさを加えています。
ブレンドが織りなすボルドーの個性
このワインは、ボルドー右岸の伝統的なブレンド比率である、メルロー60%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、カベルネ・フラン10%で造られています。
メルロー(60%): 主体となるメルローは、ワインに丸みのある豊かな果実味と、しなやかなタンニン、そして口当たりの良さをもたらします。ボルドー右岸らしい、親しみやすくも深みのあるキャラクターの基盤となります。
カベルネ・ソーヴィニヨン(30%): ワインに骨格とストラクチャーを与え、カシスやブラックベリーなどの凝縮したアロマ、そして熟成のポテンシャルを高めます。
カベルネ・フラン(10%): 繊細な香りをワインに添える品種です。スミレやラズベリーのようなフローラルなニュアンス、そしてほのかなハーブやスパイシーさが複雑味を加えます。
これらの品種が絶妙なバランスでブレンドされることで、シャトー ラ・コマンドリー・ド・クレ ボルドーは、単一品種では表現できない、重層的で奥行きのある味わいを生み出しています。
ボルドーらしさと現代の融合
無骨にして筋肉質なワイン
グラスに注ぐと、明るいルビーレッドの色調が目に映ります。
香りは、カシスやプラムといった熟した赤系果実のアロマが豊かに広がり、時間の経過と共に、杉やタバコの葉、土のような複雑なニュアンスや、ほのかなスパイス香が顔を出します。
口に含むと、なめらかで丸みのあるアタックが感じられ、しなやかなタンニンと生き生きとした酸味が調和しています。
過度な重厚さはなく、ミディアムボディで、果実味が口いっぱいに広がり、心地よい余韻へと続きます。
ボルドーワインらしいしっかりとした構造を持ちながらも、若いうちから楽しめる親しみやすさを兼ね備えています。
■産地: フランス ボルドー地方
■品種:メルロー60% カベルネソービニヨン30% カベルネフラン10%
■タイプ: 赤
■容量: 750ml